高血圧の治療目標が変わりました(2019年高血圧治療ガイドライン)

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2019/09/23

高血圧の治療では、十分な血圧の管理が心臓や脳の病気などの合併症予防に大変重要であることがわかっています。またここ20~30年の間に優れた薬が数多く開発されて、それらは安価で利用できるにもかかわらず、日本では十分な降圧目標を達成できていない患者さんが、高血圧の患者さんのうちの3/4も占めているといわれています。



当院では、通院していただく患者さんが十分な血圧の目標を達成し、将来の合併症を起こさないために、当院のスタッフや薬剤師さんらとチームを組んで治療を行うことを目指しています。

高血圧の治療の目標は、本年の4月に日本高血圧学会から5年ぶりにガイドライン(治療の指針をまとめたもの)が改訂して発行され、家庭での血圧では125/75、クリニックで測定する血圧では130/80とこれまでの目標値より10下がりました。

これは過去5年間の新たな研究の結果、従来の目標で血圧を管理した場合と比べて、今回の目標値で治療を継続したほうが、将来合併症を発生する危険性がかなり低下することがわかったことによります。

この結果を受けて、当院でも5月より上記の目標値のもとで治療を行っています。まず第一に生活習慣の改善と家庭での血圧測定を行い、必要に応じて降圧剤の内服を開始します。長期間にわたって、皆さんが適切な治療を継続できることを、スタッフ一同でサポートしてきたいと考えています。