胸が痛くなる病気について

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2017/11/23

①緊急性を必要とする胸の痛み
 「胸が痛い」という症状は、若い方からお年を取られた方までいろいろな方におこります。「胸が痛くなる病気」の中で、もっとも危険で緊急の治療を要するのは心臓の病気では「心筋梗塞」があります。また胸にある太い血管の壁がはがれてしまう病気や破裂するような病気も緊急性を必要とする病気です。これらの病気では、今まで経験したことのないような強い痛みを胸の真ん中や背中に感じます。待っていても痛みが治らない、冷や汗がでてくる場合には、救急車をよんで大きな病院にかかる必要があります。

②5分くらい強い痛みがあったけど、そのあと、すっかり治ってしまった。
 階段を駆け上がったときに胸がしめつけられるようにいたかったのに、少し休んでいたらなんともなくなってしまった。痛みは「ちくちく」とか「ずきんずきん」ではなくて、押さえつけられるような痛みというのは、心筋梗塞の一歩手前にある、狭心症の痛みである場合があります。痛みがなくなってしまうので、医者にいこうかどうか迷ってしまうと思いますが、次に痛みがおこるときには心筋梗塞になってしまう場合もあります。なるべく早く、受診していただくことをおすすめします。

③明け方に10分くらい胸が締め付けられて目がさめた。その後も同じような時間に同じ痛みを感じる。
 この症状は昼間はおこらないことが多いのですが、この症状も危険な狭心症の症状であることがあります。昼間なにもなくても、一度受診をしてください。

④肺に原因のある胸の痛み
 若い方におこりやすいのは気胸という病気です。一般的には細身の体型の方に多いと言われています。肺の一部に穴があいてしまい、肺が胸のなかでしぼんでしまった状態です。一般的には突然、胸の痛みが起こります。そのままでは治らない病気ですから、受診が必要です。

⑤「ちくちくする痛み」「ずきんずきんとした痛み」がずっと続く。
 多くの場合、このような痛みは心臓や肺の病気とは無関係のことが多いです。神経痛などが原因かと思われる場合がありますが、正確な診断はできない場合が多くあります。心配な場合は一度受診をお勧めします。

⑥実は狭心症の痛みは胸痛だけではないことに注意
 心筋梗塞の前駆症状である狭心症症状は、実は上に書いたような胸の痛みではない場合があります。歯やあごの痛みであったり、左肩から腕の痛みなどで発症することもあります。いずれも、数分間痛みが持続したのち、すっかり痛みがなくなる場合に、狭心症の症状として疑われます。もちろん、激しくなる場合には心筋梗塞である場合もあります。痛みが良くなったら大丈夫という病気ではありません。このような痛みあった時こそ、早めの受診が必要です。

⑦狭心症の症状には波がある。
 今まで書いてきた狭心症症状は、初めて起こった時や、今までに比べて頻回に痛くなる、あるいはより弱い体動や安静時に起こるといった場合、心筋梗塞になる危険が高くなります。このような時はなるべく早く受診が必要です。